セミナー
少し前にバッハの『フランス組曲』をテーマとしたセミナーに参加してきました。
『フランス組曲』は様々な舞曲(メヌエットやガボットなど)からなる組曲ですが、元々は西洋で踊られていた舞踏のための音楽のスタイルを用いながら、新しいアイディアを加えてバッハが器楽曲として書いた作品です。
クラシックの作品には、様々な国や時代の舞曲が多くあります。
1番有名なのは《ワルツ》かなと思いますが、ショパンが書いた《ポロネーズ》は “ポーランド風” という意味を持ち、《マズルカ》と共に祖国ポーランドの舞曲の要素を用いて書かれています。
でも、ヨーロッパとは大きく文化の異なる日本で生まれ育った私たちにとって、西洋の舞曲を理解するのはとても難しいことです。
それは日本以外の国で生まれ育った人に、美味しい和食をつくってもらおうとするのに似ているかもしれません。
日々送る生活に接しているような身近な文化は、“微妙な感覚” で理解している面があると思います。
言葉では言い表せないようなその感覚が、実は大事な要素や特徴だったりするかもしれません。
逆に言えば、大事な要素や特徴を押さえることができればより本物に近づけることができるでしょう。
和食を知らない人でも、美味しい出汁が取れれば美味しい和食に近づくのではと思います。
感覚を理解するのはとても難しいことですが、それぞれの舞曲が持つ要素や特徴を掴んで、少しでも本物に近い自然な演奏ができるようになりたいと思い、良い勉強の機会となりました。